未来シナリオ検討

2030年の目指したい姿を実現するために、次の三つの要素で検討していきます。

A. 未来に影響を及ぼす要素
B. 変革のトリガー
C. 未来シナリオ

A. 未来に影響を及ぼす要素

未来を考えるうえで、重要な要素はいくつかありますが、そのなかの大きなものを挙げてみます。


まず、必ず起きるのが、高齢化・人口減少です。

2030年、団塊世代が80歳を超えて、超高齢社会となります。
人口ピラミッドは「ソフトクリーム型」に。

また、生産年齢人口が激減します。
GDPは、「国内総生産」と認識されていますが、三面等価の原則というのがあり、=「国内総消費」です。
  消費人口も減り、生産人口も減るのに、右肩上がりの経済をいつまでも追い求めていくのでしょうか?

さらに、高齢者=負担増、という見方を変えていくことも大切だと思います。



次に、必ず起きるのが IoT・AI・ロボット・自動化 です。

この時に、
人が仕事から解放されてゆとりが出て心豊かに暮らせるのか?
 それとも
人の仕事が奪われて失業者が増える
のか?
どう未来を考えるかによって、その評価と課題も大きく異なってきます。

また、AI、自動化、ロボットに要するエネルギーをどう賄うのか?

一部の資本家や高度技術者に、富と権限が集中し、一般市民との間の格差や断絶が広がらないか?
情報が集約されて極端な管理社会となるリスク、責任やセキュリティをどうするのか?・・・といった課題も生まれてきます。
考えねばならないことはいろいろありますね。


また、共有経済(シェアリングエコノミー)が浸透してきます。

この時、「所有」という概念が希薄化し、「シェア」が主流になります。

住まい、オフィス、移動手段、スキル、などのシェアだけでなく、生活道具/家事、仕事、食/食事、畑/農地、など、いろいろなものに広がっていくでしょう。


カネのシェアの究極は「ベーシックインカム」ですが、これが導入される可能性も高まると思います。

いっぽうで、共有経済社会では、所有⇒シェアへの意識転換、新しいつながりやコミュニティの受容、他者理解や寛容さ、など、人々の生き方、暮らし方のベースを変えていくことも大切だと感じます


いっぽう、貨幣価値の転換が起きる可能性があります。

財政赤字の拡大による日本国債の信用低下、金利上昇による利払い費負担増、また株安、円安、などが生じた場合に、貨幣価値が大きく変わる要素があります。

このような場合に、今の金融システムとは異なる新たな仕組みを考えていく必要があるかもしれません。


さらに、日本は地震などの自然災害に見舞われやすいことも未来に影響すると考えられます。

南海トラフ巨大地震、関東地方大地震の30年以内の発生確率は 70~80%と言われています。
30年というとずっと先のことだと考えている人も多いですが、2030年までの12年間に置き換えると、≒28~32%。 じゃんけんの勝ち負けと同じ確率です。

 本来、人の住まいを安全なところ移すとか、首都機能を地方に分散させるとかの予防措置を講じることができれば良いですが、莫大な費用もかかるし、移住などは難しいことでもあるので、備えを万全にすることはできません。

ゆえに、発生してしまった時に、コミュニティや地域自治をどうするのか? 社会システムをどう変えていくのか? などを考えながら、中長期的な地域モデル、新たな社会への転換を考えていくことが求められると思います。

シナリオ検討


これまで述べてきたような要素も視野に入れながら、目指す未来を実現するためにどうすれば良いか?

未来ビジョンでは、三つのシナリオを考えています。
シナリオ1「成長」
シナリオ2「維持」
シナリオ3「革新」 

三つのシナリオのどのケースになった場合でも、目指したい「持続可能でHAPPYな未来」を実現するにはどうしたら良いか、そのプロセスとアクションを考えます。


どのケースでも、目指す社会を実現するために、政治や行政に頼るだけでなく、市民一人ひとりが取り組みたいことを考えてきました。

これらを、
◎ みんなの意識の変化
◎新たな経済への気づき
◎持続可能な社会を考える
◎社会課題解決の新たな仕組み
の四つに整理してみました。


さらに、これらを、具体的なアクションにしていくと、次の四つになりました。

① 互助の思想を基軸とした共生コミュニティづくり
②いろんなものを分かち合うシェアリング経済
③個と社会が連動する学びの場づくり
④SDGsを活かした持続可能な未来づくり

では、具体的に、どのようなシナリオとなり、どのような取組みをしていけば良いのか?
現在検討を進めてますので、2019年中に素案をつくり、提案してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。